営業支援システム(SFA)では予実管理はできない理由
以前の記事で書くと宣言していたテーマです。
まずは、SFAの定義から。
SFAとは、
Sales Force Automation
の略でIT屋さんたちの間では
営業支援システムを指します。
予実、という言葉で
検索すると結構引っかかるので
予実管理システムを販売していた
当時もたまにコンペ相手に
なったりしていました。
で、本題についてですが
お客様のRFI作成支援や、
お客様側の製品選定支援もして
いた当時の経験からいうと
以下の論点で予実管理が
出来ないと判断しました。
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●SFAで予実管理ができない理由
(1)バージョン管理ができない
(2)予算や見通しでコスト管理ができない
(3)会計データと連携できない
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詳細>
(1)バージョン管理ができない
・SFAでは最新マスタしか
持てないため、
予算編成時の予算と下期の修正予算
との比較などができない
→年間を通した目標と実績の差異理由
が管理しづらい
(2)予算や見通しでコスト管理ができない
・案件毎の粗利は管理できても、
本社費などの間接費の管理や
実績コストとの紐づけなどが
行えない
→利益の着地が読みづらい
(3)会計データと連携できない
・実績の仕訳データや元帳データにおいて、
管理会計科目とのマッピングを簡単に
行える仕組みやGUIが無い
→アドオンすれば可能かもしれないが、
GUIでできないと、組織変更対応を
ユーザが安定運営できない
従って、上記3つの理由から、
結論>
SFAは売上の見通し管理はできても、
業績管理はできない。
と導きました。
ちなみに、
今回のテーマを記事化した意図は
予実管理の仕組み化を検討する際、
特に、営業部門と共同での検討が
必要な場合によくコンペや論点に
なるため、読者の方の余計な
RFP作成負荷を減らしたくまとめました。
(※SFAと管理会計の領域整理です)
またこの情報は当時の情報となり、
IT製品は当たり前ですが進化します
ので、今は改善している可能性も
あることにご注意ください。
尚、ERPや単体会計システム、
連結会計システム、BIなどで
予実管理がしづらい理由もまとめ次第
記事化予定です。
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■■編集後記
海外実績は信じない
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予実管理製品以外の余談ですが、
当時販売を検討していた海外製品で、
「アメリカ企業の時価総額Top500のうち
▲▲%が使っている」
というキャッチコピーのベンチャー製品
があり、
なぜベンチャーなのに大手へのシェアが
高いのか不思議で関係者に聞いて回った
ところ、実は
「トライアルサイトでダウンロードした際、
所属会社記入が必須で、かつ、
使用許諾でマーケティングに使うよ、
と許可をもらったから」
だそうで、つまりは実利用シェアではない
ことが分かりました。
その会社はその後急成長したので、
今は実利用シェアをきちんと
提示しているのかもしれませんが
それからというもの、
「海外実績▲▲社!!」
と掲げている製品を見ても
だからなんだ?というスタンス
でいます。
だいいち、予実管理でいうと
いくら海外実績豊富でも、
個社の管理会計が実装されないと
意味が無いため、たとえば
「IFRS要件しか対応出来ない」
と言われると日本では
困ってしまいますし。
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閲覧いただきありがとうございます
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発行人:
300社の業績管理仕組み化経験を持つ
小林基樹
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