予算管理実施による負の影響
業績管理を仕組み化し、
運用することでこれまで数々の企業の
予測精度を上げた経験がありますが、
システムを入れるうんぬんの前に、
そもそも、なぜ、
予測の精度が悪くなるのか改めて
業務的な観点で研究しております。
今日は、その研究している際に
見つけた情報の中で面白かった、
予算管理を行うことで発生する負の
効果について紹介します。
少なくとも企業に勤めたことがある方で
あればどれかは当てはまるかと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■予算管理実施による10の逆機能
※逆機能:マイナスの働きをもつこと
[1] 社内の摩擦
部下による低い目標設定を目的とした
社内交渉、
上司による高い目標設定を目的とした
部下へのプレシャー、
及びそれらの摩擦
[2] 取引先への不要な販売
売上・利益の年内計上を目的とした
(返品引受条件などの)
一時的な販路への押し込み
[3]顧客満足度の無視
顧客満足度は業績測定や報酬算定
対象には無い。
従って、自社製品の過剰な推奨、
売れ残り商品の割安販売などの
顧客満足度を無視した販売が発生
[4]部門の閉鎖化
最大の競争相手は企業外部ではなく、
企業内部の、リソースを確保する
部門である。
よって、良いアイデアなどを
社内に共有しない、といった
部門間やり取りの閉鎖化や、
部門内で本社意向とは異なる
リーダーのアクションなどが発生。
[5]過剰なリソース要求
上司はいつも部下からの資源配分
要求をカットしたいと考えている。
従って、部下は水増し要求をすれば、
高い確率で最終的に必要資源を
確保できることになる
[6]取得予算の無駄な使い切り
予算を使い残せば、
上司からなぜ使わない予算
を要求したのか責め立てられる
だけでなく、来季予算の削減に
つながるため
与えられた予算を全て消化する
慣習となる
[7]目標未達の原因分析に重きがおかれる
下級マネージャーが最初に覚えるスキル
の1つが、不利差異をうまく
言い抜けること。
自身でコントロールできない要因に
よる目標未達も当然あるが、
常に未達の要素を探すことや、
本当の不利差異の原因報告がなされない
方がより問題である。
[8]正確な予測情報の未提出
不利な情報開示は、
上司からの叱責を生むし、
逆に想定外の売上増加は
期中の目標値への追加要求を生む。
よって、正確な予測を報告しない
文化が定着する。
[9]不正会計の誘発
目標数字の必ずの達成、
という過剰なプレッシャーから、
財務マネージャーは
過剰資源を貯め込み、
必要な時に実績に紛れこませる
など、一歩間違うと不正な
会計操作を働きかねない。
[10]リスクを取らない
リスクを冒すのは無駄だ、
という文化が定着。
なぜなら、
リスクをとり上手くいけば
上司は独断を責めるし、
失敗すれば職を失う危険が
待っているから。
("Beyond Budgeting" Jeremy Hope より)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Beyond Budgetingとは、日本訳で
「脱予算経営」という、
予算管理を行わない
経営手法提言の本です。
ちなみに、
日本で予算管理をしない企業なんて
あるのか?
と思う方も多いと思いますが、
私の知る限り上場企業で1社、
現場からのボトムアップ型予算管理を
行わない、超優良企業を知っています。
一方で、数万人企業のあるケースですが
予実管理、業績管理に事業部が年間の時間
のうち1/3、1日8時間とすると2.7時間
使っている企業もいましたが。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■編集後記
SFAの本活活用は難しい?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
先日SFAの記事を書きました。
私自身は決してSFA否定派でなく、
むしろヘビーユーザとして使っていましたが
意外とSFAの本来の活用方法で利用している
企業に会ったことがなく、
逆に
・営業日報的にしか使ってない
・受発注管理システムですよね?
・現場が監視されたくないから、
システムが定着せず、解約しちゃいました
など当時はちらほら聞いていた気がします。
営業活動をKPIをもって、定量的に、
有効活用しているリアルなケースは
今いるんでしょうか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
閲覧いただきありがとうございます
━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行人:
300社の業績管理仕組み化経験を持つ
小林基樹
https://bit.ly/2T2i64y
Twitter
⇒ https://bit.ly/2Cl4aNI
facebook
⇒ https://bit.ly/2EAx9iu
LINE
⇒ https://bit.ly/2DqusjF
メルマガ
⇒ https://bit.ly/2SmNNFs